大地の熱

「大地の熱」と言ってこの文章をお読みになられている方はどんなことをイメージされているでしょうか。
一般的には「大地の熱」と言うと一番最初に浮かぶのは地球の内部は非常に高温なマグマで満たされていて、ときおり火山活動が原因で溶岩となって噴出されてくる情景などが思い浮かばれるのではないでしょうか。

地球温暖化ガスの削減に関心をお持ちの賢明な読者の方は、このエネルギーを何とか利用できないものか、いや、「エネルギーの供給」にでてきた地熱(ちねつ)というのがこれにあたるのではないかとお気づきなられた方も多いのではないかと思います。
全エネルギー供給の中に占める割合は低いのですが、実際に国内でもこの地熱エネルギーの利用は古くから行われていて、現在の地熱発電の総発電量は、資源エネルギー庁のホームページによると約53万kwとなっています。
この地熱発電は、化石燃料による発電とは違い発電を行うときに二酸化炭素がほとんど発生しないため(実際には、地熱井から噴出される蒸気の中には、若干二酸化炭素が含まれていますが火力発電所から排出される二酸化炭素量と比較すると微量であると言われています。)温室効果ガスの削減のためには、水力発電や、原子力発電と並び温室効果ガスの削減には非常に効果的な発電であると言えます。

地熱発電の特徴

  • 何もしなければ、地球内部から宇宙空間へ放出されるエネルギーを電気エネルギーに変換
  • 温室効果ガスの発生量が少ない
  • エネルギー収支が大きい
  • 分散エネルギー
  • 純国産

そういうことならば、地球温暖化を阻止するために地熱発電所をどんどん増やせばいいのではないかと考えられる方もいらっしゃると思います。
しかし、地熱発電所の開発には、下に挙げているような多くの障害があり、現状では、なかなか発電所を増やすことができないという状態のようです。

地熱発電の問題点

  • 景観上の問題。開発が可能な場所のほとんどが国立公園の中にある。
  • 発電コストが火力や、原子力など他の発電方式に比べ割高。
  • 開発には不確実性が伴う。
  • ガスや熱水の発生。
  • 地熱井の減衰による追掘
  • リードタイムの長さ

しかし、立地に関しては、高温岩体を利用した地熱発電などの研究が進んでおり建設における障害は、今後徐々に解決していくのではないかと期待されています。
また、従来の地熱発電では利用できなかった熱水を使ってのバイナリ?発電と言われる小規模発電も研究がすすめられているようです。

では、このように特殊な地域以外でも実施可能で大地の熱を効率よく利用する方法はないのでしょうか?

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